2021年08月30日

不動産売買は多くの税金がかかる?主な税金と節税対策も解説

不動産売買を行うときにはさまざまな諸費用がかかりますが、中でも金額が大きいのが税金です。

諸費用は通常売買契約・決済のタイミングでかかってくるものが多いですが、税金は忘れたころに納税のタイミングがやってきますので、注意が必要です。

そこでこの記事では、不動産売買のときにかかる主な税金と、節税対策について紹介します。

これから不動産売買を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

不動産売買でかかる3つの税金

不動産売買の際にかかる税金には、譲渡所得税・印紙税・登録免許税があります。

税率や税額は物件価格、所有期間によってさまざまです。

不安なときは税理士などの専門家に相談しながら納税したほうがよいでしょう。

●譲渡所得税

譲渡所得税は、不動産を売却したときの売却益に対して課される税金です。

税額計算のベースとなる譲渡所得の計算式は以下の通りです。

(譲渡所得)=(売却金額)ー{(取得費)+(譲渡費用)}

売却金額には、譲渡価額のほか固定資産税・都市計画税の清算金も加算されます。

この売却金額から、物件の取得価格や仲介手数料などの取得費、譲渡のときにかかった仲介手数料や税金などの譲渡費用を差し引いて譲渡所得を算出します。

この譲渡所得に税率を乗じて実際の税額を計算しますが、所有期間によって適用される税率が異なるので注意が必要です。

・短期譲渡所得

取得した日から売却した日を含む年の1月1日までの所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得として税率は39.63%(所得税、住民税、復興特別所得税含む)となります。

短期的に売買を繰り返して利益を上げ、不動産相場が高騰することを避けるために税率が高く設定されています。

参照:国税庁「土地や建物を売ったとき」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_2.htm

・長期譲渡所得

短期譲渡所得と同じ基準で、所有期間が5年を超える場合には長期譲渡所得となり、税率は20.315%(所得税、住民税、復興特別所得税含む)です。

短期譲渡所得の税率にくらべて約半分の税率になっていますので、かなり大きな差があります。

●印紙税

印紙税は、印紙税法によって定められた課税文書を作成したときに、印紙を文書に貼付することによって納税する税金です。

不動産の売買契約書は課税文書として定められていますが、令和4年3月31日までは軽減措置が設けられています。

印紙税額は、文書に記載された金額、不動産の売買契約書の場合には物件価格によって決まっており、5千円から2万円の場合が多くなっています。

参照:国税庁「印紙税」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7140.htm

●登録免許税

登録免許税は、所有権移転登記や抵当権抹消登記を行うときの手数料として法務局に収める税金です。

登記手続きのときに登記印紙を申請書に貼付して納めます。

税金を納める人は、どのような登記を行うのかで異なり、通常、所有権移転登記は買主、抵当権抹消登記はローンの債務者である売主が負担します。

所有権移転登記の税額は、土地・建物によって税率が異なり、固定資産税評価額の0.1%から1.5%です。

建物の場合には持ち家のための移転登記か、建物が優良住宅かなどによって軽減税率が適用されます。

抵当権抹消登記の税額は1つの不動産につき1000円で、土地と建物であれば合わせて2000円です。

不動産売却にかかる税金対策

不動産売却にかかる税金については、なるべく安く済ませたいものです。

マイホームの売却の場合には優遇税制が多いため、次のような点に注意して売買しましょう。

●不動産の所有期間を長くする

譲渡所得税は、短期譲渡所得と長期譲渡所得で税率に大きな差があります。

そのため、売却した年の1月1日時点において所有期間が4年の場合には、売却を翌年に延期して長期譲渡所得の税率を適用することも検討すべきです。

12月に売却すると4年、翌年1月に売却すると5年超という判定になることもあり得るでしょう。

さらにマイホームの場合には、所有期間が10年を超えると軽減税率が適用されます。

譲渡所得が6,000万円以下の部分については14.21%、6000万円を超える部分については20.315%となります。

●3,000万円特別控除を利用する

マイホームの売却の場合には、要件をみたすことで、所有期間の長短に関わらず特別控除を利用することができます。

特別控除額は3000万円です。

自宅の売却の場合には、その後の生活の安定のために優遇税制を用意しているのです。

取得費や譲渡費用を考えると、自宅の売却で3000万円以上の譲渡所得となるケースはまれですので、この特別控除によってほとんどのケースで非課税となります。

不動産売買で譲渡所得が生じた場合は確定申告・納税が必要

不動産売却で譲渡所得が生じた場合には、馴染みのある給与所得とは異なり、確定申告をして納税する必要があります。

確定申告は税務署に書類を持参するほか、郵送やインターネット上での申告も可能です。

●確定申告を行う3つの方法

不動産売買の場合には、売買をした年の翌年に申告することになります。

確定申告の申告期間は、毎年2月中旬から3月15日(土日の場合は翌営業日)となりますので、以下いずれかの方法で確定申告を行ってください。

・所轄の税務署で直接確定申告を行う

税務署や所定の申告会場に行き、直接申告書を持参するのが一般的な方法です。

税務署では不備書類についてその場で確認してもらうことができ、申告会場が設けられている地域では、確定申告書作成コーナーで税理士のアドバイスを受けながら申告書を作成することができます。

対面である以上、受付時間が限られていますので、事前に確認しましょう。

・郵送で所轄の税務署に申告する

申告書と添付書類を用意して、所轄の税務署に郵送することで申告することも可能です。

申告書の控えと返信用封筒を入れておけば、受付済印の入ったものを返送してくれます。

不備書類がある場合には、追加で提出する必要があります。

・e-Taxを利用して申告する

最近ではe-Tax(電子申告システム)を利用して申告する人も増えています。

事前に準備が必要ですが、申告書の作成から提出までがすべてインターネット上で完結するため、手続きの負担が軽減できます。

添付書類についてはPDFなどのデータで提出できるものと、原本を税務署に提出しなければならないものがあります。

●控除を利用する際も確定申告が必要

投資用の不動産を売買するときには、譲渡所得税の申告を忘れることは少ないのですが、自宅を売却するときには申告を忘れがちです。

自宅の場合には3000万円の特別控除があるために、譲渡所得税がかからないことが多いですが、特別控除を適用するためには、確定申告が必須となります。

特別控除が自動的に適用されるわけではないので、必ず確定申告をしましょう。

10年超の軽減税率を適用するときも同様です。

●譲渡所得が生じていない場合も確定申告したほうが良い

不動産売買の譲渡益がマイナスであるなど、譲渡所得が生じない場合には、原則として確定申告は不要となります。

しかし、所有期間が5年を超えること、居住用財産であることなどの条件を満たす不動産を売却して譲渡損失が発生した場合には、他の所得と損益通算したり繰越控除をしたりをすることで所得税を節税することができます。

この特例を適用する場合にも確定申告が必要になってきますので、不動産売買を行ったときには、確定申告をセットとして考えておいた方がよいでしょう。

不動産売買の際には税金も諸費用の一つとして考えよう

不動産売買の諸費用は仲介会社が計算してくれますが、すべての税金が考慮されているわけではありません。

印紙税・登録免許税など、今回紹介しなかった不動産取得税については、諸費用に含まれていることが多いですが、譲渡所得税については含まれていないことが多いようです。

譲渡所得税は、譲渡所得が生じた場合にはもちろん、特別控除や軽減税率を適用する場合にも確定申告が必要となります。

相続によって取得した土地など、事案が複雑な時には税理士などの専門家に相談しながら申告手続きを進めましょう。

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