2021年08月17日

短期譲渡所得と長期譲渡所得は何が違う?確定申告の注意点

家屋や土地等の不動産売却を検討している人の中には、売却によって利益が生じた場合に所得税が課されるということを聞いて不安に感じている人も多いのではないでしょうか?

特別控除額を差し引くことで売却益が生じていても所得税が課されずに済むことが多いですが、万が一所得税が課された場合は多額の税金を納めなくてはならないので税金について知っておく必要があります。

この記事では、土地建物等の売却によって売却益が生じた場合に課される短期譲渡所得と長期譲渡所得との違い、確定申告を行う際の注意点を解説します。

短期譲渡所得と長期譲渡所得の違いとは

土地や建物等の売却時に売却益(譲渡益)が生じると譲渡所得税という税金が課されます。

譲渡所得税は建物の所有期間によって短期譲渡所得と長期譲渡所得の大きく2種類に分かれますが、何がどのように違うのか分からないという人も多いと思います。

不動産売却で課される税金の仕組みを知らないまま売却した場合、無駄な税金を納めることになるため、売却で損をしないためにも税金の仕組みを事前に知っておくことが重要です。

譲渡所得とは何なのか、短期譲渡所得と長期譲渡所得の違いについて詳しく解説していきます。

●譲渡所得とは

譲渡所得とは、土地や物件などの資産を譲渡(売却)することによって得た所得のことです。

他にも給与所得や不動産所得などの所得がありますが、これらの所得は総合課税という仕組みによって全ての所得を合算して所得税額が決まります。

また、総合課税には所得金額が多ければ税率が高くなる累進課税制度が採用されているのも特徴です。

譲渡所得は分離課税という仕組みによって、所得ごとに定められている独自の計算方法で所得税額を算出します。

不動産の売却で得られた売却代金から購入時や売却時に要した譲渡費用(取得費、仲介手数料、印紙税、登録免許税など)を差し引いて残った金額が課税譲渡所得となります。

課税譲渡所得がプラスだと譲渡所得税が課されますが、マイナスだと譲渡所得税は課されません。

何が譲渡費用(諸費用)に含まれるかという判断が難しいため、不安な人は税理士といった専門家に相談しましょう。

●短期譲渡所得とは

短期譲渡所得とは、不動産を売却した年の1月1日時点において、所有期間が5年以下の場合の所得です。

短期譲渡所得に対し適用される税金は、所得税30%(令和19年までは復興特別所得税を2.1%掛けるので30.63%)に住民税(市民税)9%を合算した39.63%です。

多くの税金を納めなくてはならないため、税負担を少しでも抑えたい人は5年を超えてから売却することをおすすめします。

参照:国税庁「土地や建物を売ったとき」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_2.htm

●長期譲渡所得とは

長期譲渡所得とは、不動産を売却した年の1月1日時点において、所有期間が5年を超える場合の所得です。

長期譲渡所得に対し適用される税金は、所得税15%(令和19年までは復興特別所得税を2.1%掛けるので15.315%)に住民税(市民税)5%を合算した20.315%です。

所有期間が10年超の場合はさらに特例が適用されて6,000万円以下の部分の税率が14.21%、6,000万円超の部分の税率が20.315%に引き下げられます。

基本的に短期間所有してからの売却よりも長期間所有してからの売却の方が税率的にはお得です。

短期譲渡所得の税率を気にしなくても良い理由は?

長期所有の方が税率的にはお得なので、短期譲渡所得ではなく長期譲渡所得の条件を満たしてから売却した方が良いと考えている人も多いのではないでしょうか?

しかし、以下の2つの理由から物件の所有期間をあまり気にする必要はないと言えます。

・3,000万円の特別控除を利用できる
・短期譲渡の方が高く売却できる

それぞれの理由について詳しく解説していきます。

●3,000万円の特別控除を利用できる

3,000万円の特別控除とは、マイホーム(居住用財産)を売却した場合、所有期間に関係なく譲渡所得から3,000万円の控除が受けられる制度です。

つまり、譲渡所得が3,000万円を超えない限り、税金が課されることは基本的にないということです。

課税対象となるのは、投資用物件のように売却するのが自身のマイホームではないので3,000万円の特別控除を利用できない場合や譲渡所得が3,000万円を超えているなどの特別な理由がある場合に限られています。

●短期譲渡の方が高く売却できる

不動産会社に査定を依頼すると、築年数が浅い物件の方が築年数の経過した物件よりも査定結果が基本的に高くなります。

その理由は、経年劣化による影響が築年数の浅い物件の方が少ないためです。

長期譲渡所得の条件を満たすためだけに不動産を持ち続けることにした場合、その間の固定資産税や都市計画税、経年劣化を補うための修繕費、マンションの場合は修繕費や修繕積立金といった無駄な支出が生じます。

無駄な支出を少しでも軽減して売却を有利に進めるには、長期譲渡所得にこだわらず好きなタイミングで売却することをおすすめします。

譲渡所得が生じた場合は確定申告が必要

譲渡所得が生じても、自動的に譲渡所得税が計算されて売却代金から引かれるわけではありません。譲渡所得が生じた場合は確定申告を行う必要があります。

確定申告での失敗を未然に防ぐためにも、以下の3つのポイントを押さえた上で確定申告に臨むことが大切です。

・確定申告は譲渡した年の翌年の2月16日~3月15日までに行う
・譲渡所得が生じていない場合でも確定申告した方が良い
・確定申告が不安な場合は専門家に相談

それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

●確定申告は譲渡した年の翌年の2月16日~3月15日までに行う

確定申告はいつでも良いわけではありません。売却した年の翌年の「2月16日~3月15日頃」までと期限が決まっているので注意してください。

「3,000万円の特別控除を利用した場合は譲渡所得が生じていないので確定申告する必要はない」と思っている人も多いかもしれませんが、特例や控除を利用する場合にも確定申告が必要です。

●譲渡所得が生じていない場合でも確定申告した方が良い

確定申告した方が良いのは、譲渡所得が生じている、特例や控除を利用する場合だけではありません。

譲渡所得が生じていない場合には基本的に確定申告が不要ですが、譲渡損失が生じているケースでは確定申告した方が良いです。

その理由は、譲渡損失が生じている場合に確定申告すると、損益通算で所得税を軽減できるためです。

基本的に不動産を売却した後は、確定申告することをおすすめします。

●確定申告が不安な場合は専門家に相談

確定申告は期限が決まっており、不備があった場合はトラブルに発展するおそれがあります。

そのようなトラブルを未然に防ぐためには不動産会社や税理士などの専門家に相談しながら確定申告に臨むことをおすすめします。

しかし、税理士に相談した場合は報酬が発生するのが一般的なので注意してください。

不動産の所有期間はあまり気にする必要はない

不動産の売却を予定している人の中には、譲渡益が生じた場合に課される譲渡所得税が気になって、不動産をいつ売却すればいいのか分からないという人も多いと思います。

しかし、居住用財産の売却であればほとんどの場合で3,000万円の特別控除が適用される、築年数が浅い方が好条件での売却が期待できることを考えると、税率が低くなる長期譲渡所得を意識して売却に臨む必要はありません。

好条件での売却を希望しているのであれば、自分の好きなタイミングで売却に臨むことをおすすめします。

不動産の売却は不動産会社に仲介を依頼するのが一般的ですが、買取業者に買取を依頼するという選択肢もあります。

例えば、不動産コンサルティング会社の「ソクガイ.jp」は不動産の買取を専門としており、訳あり物件から一般的な物件まで幅広く対応しているのが特徴です。

不動産の売却で悩んでいる、今すぐ現金化したいという人は、一度相談することをおすすめします。

 

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