2021年08月30日

共有持分は自由に売買できる?共有状態を解消する3つの方法

相続財産に共有持分があって遺産分割の際に取得した、遺産分割協議で不動産を共有したことにより共有持分を取得したという人の中には、共有持分を売買できるのか気になっている人も多いと思います。

共有持分は持っていても資産価値が低く、共有持分に関連するトラブルに発展する可能性もあるので、早めに手放すことをおすすめします。

この記事では、共有持分を持っている人は何ができるのか、放置する注意点、共有状態の解消方法を解説します。

共有持分を持っている人ができることは?

相続手続きで共有持分を取得したという人の中には、共有持分を持っていることによって何ができるのか気になっている人も多いと思います。

マンションやアパート、戸建住宅といった不動産の共有持分を持っているからといって、単独名義のように何でも自由にできるわけではありません。

共有持分を持っている人は一部の行為が制限されるので注意が必要です。

共有持分を持っている人は何ができるのかを詳しく解説していきます。

●使用行為と保存行為は単独でできる

共有持分を持っている人は、共有持分の対象である不動産を自由に使用できます。

持分割合に応じた日数やスペースだけ使用できないということはありません。

また、経年劣化に対する壁紙(クロス)やフローリング、畳の交換や雨樋(雨どい)の修理といった保存行為も第三者(他の共有者)の同意を得ずにおこなえます。

●利用行為と変更行為は共有持分の過半数の同意が必要

共有持分の対象である不動産が空き家の場合、賃貸として貸し出して家賃収入を得たいと考えている共有者もいると思います。

共有者の中には、賃貸として貸し出すことに反対する人もいるかもしれませんが、不動産経営で得られた家賃収入は持分割合に応じて受け取れるのでデメリットともいいきれません。

そのため、共有不動産を短期間(土地5年、建物3年以内)賃貸する行為は共有持分の過半数の同意が必要とされています。

また、現状維持ではなく、リフォームやリノベーションによって物件の資産価値が上がるような修繕・改築もデメリットとはいいきれないので持分割合の過半数の同意が必要です。

●処分行為は共有者全員の同意が必要

マンション売却、アパート売却、戸建売却のような不動産売却は、大きな影響を与える行為となるため、共有持分の過半数の同意ではなく共有者全員の同意が必要とされています。

また、不動産全体に抵当権を設定(登記)する行為も共有者全員の同意が必要です。

その理由は、抵当権が実行された場合、共有者全員が不動産を失うことになるためです。

しかし、共有持分のみの売却、抵当権を設定する行為については他の共有者の同意を必要としません。

抵当権が実行されるのが共有持分のみであれば、他の共有者に与える影響がほとんどないためです。

短期間の賃貸は持分割合の過半数の同意が必要でしたが、長期間(土地5年超、建物3年超)の賃貸は影響が大きいので共有者全員の同意が必要です。

共有状態のまま放置する3つの注意点

単独名義と共有持分を持っている人を比べた場合、「一部できることが制限されるだけなのであれば共有状態のまま放置していても問題ないのでは?」と考えた人もいると思います。

しかし、以下の3つの注意点を伴うので共有状態のまま放置することはおすすめしません。

・相続で共有名義人が増えて把握が困難になる
・処分行為をおこなうハードルが高くなる
・ランニングコストの負担が生じる

それぞれの注意点(リスク)について詳しく解説していきます。

●相続で共有名義人が増えて把握が困難になる

1つ目は相続で共有名義人が増えて把握が困難になるという注意点です。

例えば、共有持分を持っている人が亡くなった場合、相続人が共有持分を引き継ぐことになります。

その結果、1つの共有持分が枝分かれ式に増えることで共有名義人も次々と増えていきます。

「相続登記していれば誰が共有名義人なのかを簡単に把握できる」と考えた人もいるかもしれませんが、共有持分の登記がきちんとおこなわれていないことも多いです。

相続が繰り返される中で誰が共有名義人なのか把握できなくなると、将来共有不動産をどうするのかを共有者同士で話し合いたいと思ってもスムーズに話し合えない可能性があるので注意が必要です。

●処分行為をおこなうハードルが高くなる

2つ目は処分行為をおこなうハードルが高くなるという注意点です。

売却や長期間の賃貸といった処分行為をおこなう場合は、共有者全員の同意を得なくてはなりません。

しかし、第二相続、第三相続で共有名義人が増えた場合、同意を得なくてはならない人数も増えるため、全員の同意を得ることは困難です。

結果的に売りたくても売れなくなり、共有持分が邪魔な資産になってしまいます。

そのため、処分行為を検討している場合は共有者の人数が少ないうちにおこないましょう。

●ランニングコストの負担が生じる

3つ目はランニングコストの負担が生じるという注意点です。

マンションや戸建住宅などの不動産を持っている場合、固定資産税や都市計画税、経年劣化に対する修繕費といったランニングコストがかかります。

共有持分の場合も、自分の持っている持分割合に応じてランニングコストを負担しなくてはなりません。

ランニングコストを負担したくないという人は、共有状態の解消を検討する必要があります。

共有状態を解消する3つの方法

共有持分を持っていても一部できることが制限される、将来的にトラブルに発展する可能性が高いことを考えると、特にこだわりがないのであれば共有状態を解消することをおすすめします。

例えば、共有物が土地の場合は、共有者間(親族間)で持分割合に応じて分割(分筆登記)して共有から単独所有に切り替える、他の共有者に所有権を譲渡(贈与)する、持分放棄することにより共有関係を解消できます。

ただし、無料で譲渡(贈与)する場合は相手に贈与税や相続税などの税金がかかる、上記の方法はお金が手に入らないということを考えると、あまりおすすめしません。

共有状態を解消する方法として、以下の3つが挙げられます。

・共有持分のみを売却する
・独占している共有者に買い取ってもらう
・全員で共有不動産を売却する

それぞれの解消方法について詳しく解説していきます。

●共有持分のみを売却する

1つ目は共有持分のみを売却するという方法です。

共有持分のみの売却は、他の共有者の同意を必要とせず単独でおこなえるため、すぐ現金化できるのがメリットです。

しかし、共有持分を購入した買主も、自由に共有不動産を使用できるというわけではなく一部の行為を制限されるため、取得するメリットは基本的にありません。

買主は安く買い取って最終的に高く売却して利益を得る一部の不動産会社や投資家に限られるため、売却価格が安くなりがちという点に注意が必要です。

そのため、少しでも金額を高めたいのであれば、複数の買取業者に査定を依頼し最も高い査定結果を提示した買取業者に買取を依頼することをおすすめします。

「ソクガイ.jp」は買取を専門におこなう不動産コンサルティング会社です。

一般的な不動産会社は差益を得るために安く買い取りますが、ソクガイ.jpはコンサルティング報酬を顧客から受け取っているため、無理に差益を得る必要はありません。

他の買取業者よりも相場に近い買取価格を実現できるため、共有持分の売却に悩んでいる人は一度相談してみましょう。

●独占している共有者に買い取ってもらう

2つ目は独占している共有者に買い取ってもらうという方法です。

共有者の1人が共有不動産を独占していて、他の共有者が自由に使用できないという事例もあります。

このようなケースでは、独占している共有者に買取を要求するのも選択肢の1つです。

共有者は共有持分を取得することにより持分割合が増えるため、自分だけの判断でできることが増えます。

そのため、独占している共有者の中には、買取を提案すれば応じてくれる人もいます。

しかし、共有者に買い取るだけの資力がある場合に限られているという点に注意が必要です。

他にも相続放棄をする、他の共有者に贈与するなどの方法がありますが、資産価値のある共有持分を手放すのは損なので、共有持分のみを売却する、独占している共有者に買い取ってもらうことを優先的に選択しましょう。

●全員で共有不動産を売却する

3つ目は全員で共有不動産(共有物)を売却するという方法です。

所有権(共有持分)を持っていても、不動産全体を勝手に売却することはできません。他の共有者の同意(合意)を得る必要がありますが、共有持分のみの売却より需要が高くなるので高値での売却が期待できます。

同意を得ることが困難な場合は共有持分分割請求訴訟を提起するという方法があります。

共有持分分割請求訴訟とは、裁判所に合理的な共有状態の解消方法を裁定してもらうことです。

しかし、時間と手間がかかる、弁護士に相談する費用もかかるという点に注意が必要です。

どの売却方法が合っているかは人によって異なります。税理士や弁護士、司法書士などの各種専門家に確認しながら決めることがポイントです。

共有持分を持ち続けることにあまり意味はない

共有持分を持っていてもメリットはほとんどなく、将来的にトラブルに発展する可能性が高いことを考えると、早めに手放しておくことをおすすめします。

共有状態の解消方法はいくつかありますが、すぐに現金化できることを考えると、共有持分のみの売却がおすすめです。

しかし、必ずしも最善策とはいいきれないため、専門家に相談しながら解消方法を決めましょう。

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