2021年08月17日

抵当権とは?根抵当権との違いや抹消しないデメリット、手続きの方法

住宅ローンを完済していない抵当権付き住宅の売却を検討している人の中には、問題なく売却できるか気になっている人も多いのではないでしょうか?

残債(返済)の残っている住宅を売却したことにより、抵当権設定者である銀行や購入者と何かしらのトラブルに発展する可能性もあるため、抵当権について理解してから不動産売却に臨むことが重要です。

この記事では、抵当権とは何か、根抵当権との違いや抹消した方が良い理由、抹消する際の手続きの方法について解説します。

抵当権とは?

一戸建てやマンションなどの不動産を購入する際は自己資金だけでは代金が足りないため、住宅ローンを契約するのが一般的です。

融資を行う金融機関は、住宅ローンを契約する際に購入する不動産に対して抵当権を設定しますが、なぜ抵当権を設定するのでしょうか?

抵当権の意味と根抵当権との違いについて詳しく解説していきます。

●抵当権の意味

抵当権とは、債権者(融資する側:金融機関)が債務者(融資を受ける側:不動産購入者)の債権を回収するために債務者の財産に設定する権利です。

抵当権者(債権者)は不動産に抵当権を設定すると、債務者が債務を履行しない(滞納)場合に不動産を売却して融資を回収できるようになります。

抵当権は債権ごとに設定されますが、契約と同時に自動的に設定されるわけではありません。抵当権の設定時には登記が必要(設定登記)で、登録免許税という手数料が発生します。

債権が消滅すると自動的に抵当権も消滅しますが、登記簿謄本(登記事項証明書)の権利部には第三者が見ても分かるように抵当権の設定に関する情報が残ったままです。

登記簿謄本に記載されている抵当権を削除するかどうかは任意ですが、抹消したい場合は抵当権抹消登記という手続きが必要なので忘れないように注意しましょう。

●抵当権と根抵当権の違い

抵当権と似た言葉に根抵当権があるため、違いがよく分からないという人も多いと思います。

根抵当権も、債券を回収するために債務者の財産に設定する権利であるという点は抵当権と同じです。

しかし、抵当権は債権ごとに設定する必要がありましたが、根抵当権は根抵当権者が債権の極度額と対象を決定し、その範囲内であれば何度でもお金を借りることができるという点で異なります。

債権ごとに抵当権を設定せずに済むので手間と費用負担を軽減できるというメリットがある一方、債権が消滅しても自動的に抵当権が消滅しないので抵当権抹消が必須になるというデメリットがあります。

根抵当権は企業が融資を受けるようなケースで設定されるものなので、あまり気にする必要はありません。

抵当権を抹消した方が良い2つの理由

抵当権が設定されている不動産を売買してはならないというルールはないため、抵当権が残ったままでも不動産の所有者は買主の合意があれば通常通り不動産を売却できます。

しかし、以下の2つの理由から抵当権を抹消してから売却に臨むことをおすすめします。

・売却時に買い手が見つかりにくい
・ローン審査に通りにくい

それぞれの理由について詳しく解説していきます。

●売却時に買い手が見つかりにくい

住宅ローンの支払いが完了していても自動的に抵当権は抹消されることはなく、不動産登記簿謄本を確認しても外観上は抵当権が設定されているため、住宅ローンの支払いが残っているように見えます。

抵当権が残ったままの物件を購入した買主は、購入後に抵当権が実行されて競売にかけられるリスクを伴う可能性があるため、購入を見送られる可能性があります。

結果的に抵当権が設定されていない不動産に購入希望者が流れてしまうため、機会損失につながるでしょう。

また、抵当権が設定された土地に限らず、市街化調整区域内の土地や建物の購入を検討している人も要注意です。

その理由は、市街化調整区域内の土地は市街化が抑制(制限)されている地域(エリア)で、原則計画的な開発行為の禁止により、建物を新築する際は建築許可(開発許可)が必要になるためです。

都市計画法の線引き(区域区分の変更)がおこなわれる前の市街化調整区域内にある既存集落や既存建築物は宅地に指定されているので許可不要ですが、利便性という点では市街化区域に劣るため、売却時に不利になりやすい住まいであることを覚えておきましょう。

●ローン審査に通りにくい

不動産の購入者が住宅ローンを契約する際は、資産価値のある物件かどうかを金融機関が確認します。

抵当権が残ったままの不動産は、二重ローン(1つの不動産に2つのローンがある)の状態であるため、住宅ローンのような有担保ローンは審査に通りにくくなります。

カードローンのような無担保ローンは担保を必要としないため、基本的に影響を受けません。

そのため、抵当権を残したまま売却を進めると、購入希望者は購入代金の全てを自己資金で補うまたは融資条件があまり良くない無担保ローンを利用することになるので売却にマイナスの影響を与えます。

抵当権を抹消する方法

不動産の売却を有利に進めるには抵当権を抹消しておくことが不可欠です。

しかし、どのように抵当権の抹消を進めればいいのか分からないという人も多いと思います。

抵当権を抹消する方法は以下の通りです。

・金融機関から抹消登記に必要な書類を受け取る
・抵当権抹消登記の申請書を作成する
・法務局に申請書と必要書類を提出する
・抵当権抹消登記に必要な費用を支払う

それぞれの方法を詳しく解説していきます。

●金融機関から抹消登記に必要な書類を受け取る

抵当権の抹消は住宅ローンの契約者が単独で行うことはできません。抵当権設定者である金融機関の合意が必要です。

抵当権の抹消登記に必要な書類として、登記済証(登記識別情報)、弁済済証(弁済証書)、抵当権抹消の委任状などが挙げられます。

これらの書類を金融機関から受け取ります。

時間が経過すると書類を紛失する可能性があるため、早めに抵当権抹消手続きに取り掛かりましょう。

●抵当権抹消登記の申請書を作成する

抵当権抹消登記の申請書を最寄りの法務局または法務局のホームページから取得します。

抵当権抹消登記の申請書の原因欄に抵当権を抹消する日付、権利者(所有者)と義務者(銀行)欄にはそれぞれの住所と氏名を記載します。

不動産の表示の欄に不動産番号や所在、地番、地目、地積などの必要事項を埋めていくだけなので、難しいものではありません。

抵当権抹消登記の申請書は、以下の法務局のホームページからダウンロードできます。また、記載例も掲載されているので記載方法が分からない人は参考にしてください。

参照:法務局「不動産登記の申請書様式について」
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html

●法務局に申請書と必要書類を提出する

法務局に作成した申請書と登記済証(登記識別情報)、弁済済証(弁済証書)、抵当権抹消の委任状などの必要書類を法務局(不動産を管轄する法務局)に提出します。

書類の提出方法は直接法務局に持っていくまたは郵送のどちらかを選択できます。

郵送を選択して不備があると、返送されて再提出の手間と時間がかかるので基本的におすすめしません。

その場で修正できる、相談しながら作成できる法務局に持っていくという方法をおすすめします。

●抵当権抹消登記に必要な費用を支払う

抵当権抹消登記を行う場合には、抵当権が設定された不動産1件につき1,000円の登録免許税を支払わなくてはなりません。

一般的に土地と建物の両方に抵当権が設定されているため、抵当権の抹消には2,000円かかります。

司法書士に依頼した場合は報酬として2~3万円程度かかるということも覚えておきましょう。

抵当権は必ず抹消してから売却しよう

抵当権は、残していても売却に有利に働くことはありません。

そのため、不動産の売却を少しでも有利に進めたいのであれば、抵当権の抹消が必要不可欠です。

抵当権の抹消は勝手に行えるものではありません。

金融機関の合意が必要なのでときちんと話し合って抵当権を抹消してから売却に臨みましょう。

不動産を売却する際は不動産会社に仲介を依頼するという方法以外にも買取という方法があります。

例えば、「ソクガイ.jp」は不動産買取を専門に行う不動産コンサルティング会社で、買取で安くなりがちな買取金額を相場近くまで引き上げることに成功しています。

不動産会社の査定金額に不満を抱いている人や今すぐに現金化したい人におすすめです。

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