2021年08月17日

所有権とはどんな権利?借地権との違いやそれぞれのメリット

建物を建てるためには土地が必要になりますが、必ずしも建物の所有者と土地の所有者が同一である必要はありません。

土地に対する権利が所有権であっても、借地権であっても、建物を建てることが可能です。

しかし、高額な不動産でトラブルを避け、不動産売却も見据えた検討を行うためには、所有権がどのような権利であるかを知り、借地権との違いや、それぞれのメリットとデメリットを把握しておくことが大切です。

土地の所有権と借地権の違い

土地に自分の住まいを建てる場合、その土地に対する使用権が必要です。土地の所有権又は借地権が建物を建てるための使用権となっていることが一般的です。

●土地の所有権とは

土地の所有権とは民法で定められた土地に対する権利形態のひとつであり、物権に分類されます。

物権とは直接的に支配できる権利のことであり、物権である所有権を有する者は、すべての人に対し土地に対する全面的な支配権を主張でき、法令の制限内において排他的な土地の使用、処分が可能となります。

つまり土地の所有者は自分自身の判断で、土地を貸したり、売却したりすることが可能になるのです。

しかし、これは土地の完全所有権を有している場合の話です。

ひとつの土地には所有権、抵当権、借地権など複数の権利設定ができ、土地の所有権を有していても、使用収益を制約する権利が付着している場合には、所有者であっても、他の権利による制約を受けることになります。

完全所有権とは、このような制約を受ける他の権利が設定されていない所有権のことを意味します。

借地権が設定された土地の所有権は底地と呼ばれ、底地の所有者は借地権者に対し地代を請求する権利がありますが、借地権者に土地を貸しているため、自分の土地であっても自由に使用することはできません。

固定資産税の納税義務については、土地の所有者が負います。

したがって底地の所有者は自分で土地を使用できなくても固定資産税を納めなくてなりません。

また、所有権を権原として自分の住まいを建てた場合には、土地と建物両方の固定資産税を負担する義務が生じることになります。

●借地権とは

借地権とは、建物の所有を目的とした借地借家法(旧借地法を含む。)に基づく借地権(地上権又は賃借権)のことをいいます。

他人の土地を借りて自分の住まいを建てることができる権利ということです。

地上権も民法で定められた物権で、所有権と同様に全面的な支配が認められる権利です。

しかし、借地権の設定では、地主に不利な地上権ではなく、債権である賃借権で設定するケースが多くみられます。

債権は特定の人に一定の行為を要請できる権利であるため、全面的な支配権を有する物件である地上権や所有権とは大きく異なります。

このため借地上に建てた建物の売却や、増改築を行う場合には地主の許可が必要です。

なお、所有権に基づき建物を建てた場合には、土地と建物両方の固定資産税を負担する必要がありますが、借地権に基づき建物を建てた場合には、借地権者が負担するのは建物の固定資産税のみとなります。

借地権の場合は、土地については土地の所有者である地主が固定資産税を負担します。

借地権は、旧借地法施行時に創設された旧借地権、借地借家法施行後に創設された普通借地権と定期借地権の大きく3種類に分けられ、借地借家法(旧借地法を含む)に定められたルールに基づき土地利用が行われます。

一戸建てなどを建てる際に設定される借地権は賃借権が主流であるため、以下では賃借権のことを借地権として解説していきます。

借地権の設定がない完全所有権の土地を購入する4つのメリット

新築注文住宅や中古一戸建てなどで、建物の土地に対する権利形態が所有権の物件や借地権などの設定がなく、使用収益に制約のない土地を購入した場合のメリットとして、次の4つが挙げられます。

●地代や更新料などのコストを支払わずに済む

借地権付建物などを購入したり、土地を借りて建物を建てたりする場合には、地主に対して土地使用の対価として地代を月払いであれば月々支払わなければなりません。

また、地域や慣行によっても異なりますが、契約期間満了時に契約更新をする際には地主に対して更新料を支払うケースが多く見受けられます。

このように借地上の建物に住み続けるためには少なくないコストが発生します。

しかし、自分自身が所有する土地であれば、このようなコストを支払う必要はありません。

また、地代は一定ではなく、土地の価格が上昇すれば地主から地代の値上げを求められる可能性が高くなります。

地代の値上げは家計にも大きな影響を与えますので、このような心配をする必要がない点も土地を所有することのメリットといえるでしょう。

ただし、地代、更新料を支払う必要はありませんが、土地と建物両方について固定資産税と都市計画区域内であれば都市計画税を納税する義務が生じることには注意が必要です。

●地主による制限を受けずに自由に建築できる

土地に対して完全所有権を有していれば、都市計画法等の法令の制限内で自由に建てたいものを建てることができます。

借地権付建物の場合には増改築を行う際に地主の承諾が必要であり、承諾料の支払いを求められるケースがあります。

また、不動産売却を考えたときに、所有権であれば、土地と建物を一緒に売却するほか、借地権付建物として売却したり、建物を賃貸したりと様々な方法が自由に選べます。

一方で借地権の場合には、土地利用権とする建物を売却する際には地主の承諾が必要になり、名義変更料を求められることもあり、承諾をめぐり地主とトラブルに発展することも少なくありません。

●住宅ローンの審査に通りやすい

不動産の売買価格は高額になることから、多くの方が住まいを購入する際に住宅ローンを利用されます。

住宅ローンでは、ローン利用者の年収等のほかに担保不動産の資産価値が審査されるので、当然、資産価値が高ければ担保価値が高くなり、住宅ローンの審査に通りやすくなります。

借地権自体は担保価値が低く、土地の所有権を有しているほうが、担保価値が高くなるため高額融資を受けられ、結果的に自己資金が少なくても融資でカバーできる可能性が高くなります。

●所有権は売却時に有利になる

借地権の場合には借地権者が借地上建物の増改築、売却などをしようとする際には、地主の承諾が必要です。

売却の承諾を得たとしても、不動産会社に支払う売買手数料のほかに地主から借地権の名義変更料の支払いを求められることから保有時、売却時ともに不利になる要素が多くあります。

所有権であれば、売却に際し許可を得る必要はないことから、借地権にくらべ売却がしやすいメリットがあります。

売却がしやすく現金化が比較的早くできるため、老後や万が一の備えとしてもおすすめです。

他人の土地を使用収益する権利(借地権)を購入する2つのメリット

上記では所有権との比較で借地権のデメリットに触れましたが、借地権を購入するメリットにはどのようなものがあるのでしょう?ここでは、借地権購入のメリットを2つ解説します。

●土地の固定資産税を支払わずに済む

所有権移転を伴う売買により不動産を取得した場合、新たに不動産の所有者になった者は固定資産税等を納税する義務を負うことになります。

土地と建物の所有権を取得した場合には、土地建物両方の固定資産税等を毎年支払う必要がありますが、借地権付き建物を購入した場合には土地の所有権は移転しませんので借地人は土地の固定資産税等を支払わずに済みます。

ただし、注意点として地代の支払いが必要になることが挙げられます。

●初期費用を抑えられる

所有権を権原(けんげん)とする建物を購入するためには、土地と建物それぞれの購入費用が必要になりますが、借地権を権原とする建物の場合には土地の購入費用相当額が不要となります。

このため借地権付き不動産は、一戸建てやマンションであっても購入代金が相当に抑えられるため結果として初期費用を抑えられることになります。所有権だと手が出ない好条件の不動産であっても借地権であれば購入可能になるケースも少なくありません。

また、固定資産税等とは別に、不動産を取得した際には不動産取得税という税金が課税されます。

借地権であれば土地については不動産を取得したことになりませんので、不動産取得税の課税対象とはならないメリットもあります。

しかし、借地権は資産価値が低くなりますので、住宅ローンを利用する際に思うような金額の融資が受けられない可能性が高くなることが注意点として挙げられます。

市場で敬遠されがちな借地権付き不動産

借地権には制約が多く、メリットも少ないことが分かります。

特に売却するためには地主からの承諾が必要であるほか、名義変更料も必要で、手間も費用も多く掛かります。

しかし、相続などにより借地権付き不動産の所有に至ったケースなどでは、売却して現金化してしまいたいというニーズもあるでしょう。

借地権付き不動産のような訳アリ不動産の売却では、こういった不動産を専門で扱う不動産会社に相談してみるのがおすすめです。

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