2021年09月02日

大規模修繕工事とは?工事前後で売却するメリット・デメリット

分譲マンションは一般的な一戸建て住宅とは異なり、長期修繕計画に基づく定期的に建物の大規模な改修工事が実施されます。

そのため、この大規模修繕が不動産売却に影響するのか気になっている人も多いのではないでしょうか?

影響を与えるのであれば、どのような影響を与えるのか事前に確認してから売却に臨むことで好条件での売却につながります。

この記事では、大規模修繕工事とは何なのか、大規模修繕工事の前後で売却するメリットとデメリットにどのような違いがあるのか解説します。

マンション売却を検討している人は参考にしてください。

大規模修繕工事の基礎知識

戸建て住宅では、修繕・補修するかどうかは劣化状況に合わせて自分自身で決定できます。

しかし、分譲マンションのような区分所有建物では、適切な修繕や補修をおこなわなければ建物性能の低下、資産価値が下落する可能性があることから、12年~15年の周期を目安に大規模修繕工事が実施されます。

分譲マンションの所有者は将来の大規模修繕工事の実施に備えて修繕積立金という費用を強制的に毎月徴収される、売却にも影響する要因なので大規模修繕工事とは何なのかしっかり理解しておくことが大切です。

大規模修繕工事が必要な理由、かかる費用、スケジュールを詳しく説明していきます。

●大規模修繕工事が必要な理由

大規模修繕工事は、劣化が発生した場合に適宜対応していくというよりも、経年劣化に対する修繕を計画的に実施することでトラブルを未然に防ぐ目的があります。

定期的なメンテナンスを実施することにより住まいの不具合を未然に防ぐことで安心して暮らせる、外壁やタイルの落下が原因によるトラブル(損害賠償)を回避できる、資産価値の維持も期待できます。

また、大規模修繕工事に合わせて、機能性や快適性を向上させるグレードアップを目的とする場合も。

「大規模修繕工事は各部屋の修繕もおこなってくれるの?」と疑問を抱いた人もいるかもしれませんが、各部屋(専有部分)の修繕は対象外です。

大規模修繕の対象は廊下や階段、エントランスホールなどの専有部分を除いた共有部分のみであるので注意してください。

具体的には、外壁塗装や鉄部塗装といった塗装工事、屋上防水やバルコニー防水といった防水工事(シーリング工事)などをおこないます。

他にも給排水管やインターホン、エレベーターの部品などの耐用年数を超えて耐久性が低下した設備は交換します。

●大規模修繕工事にかかる費用

大規模修繕工事は、12年~15年(10年~15年)に1回の頻度でおこなわれます。

マンションは、物件規模が大きいため、修繕に必要な金額が高額です。

費用負担は1戸あたり100万円前後とされており、月々の修繕積立金で将来の大規模修繕工事に必要な資金を確保していきます。

一度拠出した修繕積立金はマンション管理組合のものとなるので、修繕工事を実施する前にマンションを売却したからといって返還してもらえるわけではないという点に注意してください。

居住スペース(共有部分)が少なく、共有部分(共用部分)の多いマンションの場合は、修繕箇所が増えるので費用負担が大きくなる傾向があります。

また、マンションのグレードによる差異も大きく一概にいくらとは言い切れません。

●大規模修繕工事のスケジュール

大規模修繕工事は、マンションの管理をおこなっている管理会社が提案することがほとんどです。

管理を外部に委託していない場合は、施工会社や大規模修繕工事を扱っている会社に相談します。

修繕委員会を設立、建築士といった有資格者の診断を受ける、劣化具合に合わせた計画の見直し、工事説明会を経るなど万全の体制を整えてから臨むため、修繕工事完了まで2年程度かかるケースが多いです。

実際の工事期間は足場の仮設工事や解体工事も含めると3カ月~5カ月程度となります。

大規模修繕工事の期間中は、工事業者が頻繁に出入りするため、売却に不向きと言えるでしょう。

大規模修繕工事前に売却するメリット・デメリット

大規模修繕工事の期間中は売却に不向きと言いましたが、大規模修繕工事前と後ではどちらが売却の適正なタイミング(時期)なのか気になっている人も多いと思います。

最適なタイミングで売却することが、マンション売却を成功へと導くためにも重要なポイント(コツ)なので、双方のメリットとデメリットを比較して総合的に判断することが重要です。

まずは大規模修繕工事前に売却するメリット・デメリットを紹介します。

●メリット

マンションの構造は鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)です。

SRC造の耐用年数は47年となっているので建て直しが必要になるのはかなり先となります。

そのため、いつ売却しても需要が期待できると考えている人もいるかもしれませんが、そうではありません。

築20年を超えると売却しにくくなるので、なるべく早いタイミングで売却することをおすすめします。

1回目の大規模修繕工事前であれば、築年数は15年以内であることが多いです。

新築と比較すると設備のきれいさや性能では劣りますが、好条件での売却が期待できるでしょう。

●デメリット

大規模修繕工事前は大規模修繕工事でまとめて工事に取りかかる方が費用を抑えられるという理由で、軽度の修繕は放置されがちです。

外観や設備などに劣化が見られるケースもあるため、売却時に工夫が必要になります。

そのため、売却を依頼する不動産会社の選び方に悩んでいる人は、実績が豊富、規模の大きな大手不動産会社など、営業力の高さで十分なサポートが期待できる不動産会社を選ぶことが重要です。

大規模修繕工事後に売却するメリット・デメリット

大規模修繕工事前の方が建物の築年数が浅いので築年数の経過による資産価値の減少(下落)が小さいです。

そのため、高値での売却が期待できますが、修繕・補修の前で劣化が目立つ可能性もあり、売却に不利になる可能性もあるという点がデメリットでした。

では、大規模修繕工事後に売却することにはどんなメリット・デメリットが挙げられるのでしょうか?

大規模修繕工事後に売却するメリット・デメリットを紹介します。

●メリット

大規模修繕工事後は、外観がきれいになります。

実際の築年数と見た目との差(ギャップ)が大きく、売却を有利に進めやすい点が大きなメリットです。

また、マンションの中には、大規模修繕工事のタイミングで共有部分・設備に大幅な改良(集合玄関をオートロックに変更するなど)を加えることで利便性が向上する可能性もあります。

そのため、大規模修繕工事前と大規模修繕工事後を比較すると、大規模修繕工事後の方が高値で売却できたというケースも珍しくありません。

ただし、大規模修繕工事では、バルコニーや玄関ドア、玄関ポーチなどの一部の修繕がおこなわれても、室内の内装工事はおこなわれないので大規模修繕工事に過度な期待を抱かないようにしましょう。

●デメリット

大規模修繕工事は定期的に実施されますが、各回の修繕費用が同じと考えている人も多いと思います。

しかし、大規模修繕工事は2回目、3回目と工事回数が増えるたびに修繕費用が大きくなるという点に注意が必要です。

大規模修繕工事にかかる費用が増えるということは、修繕に必要な資金を補う修繕積立金も少しずつ引き上げられるということです。

パンフレットをチェックした購入希望者が初期の修繕積立金と比較して設定が上がっていることに気付き、居住者の月々の維持コストの高さを理由に購入を見送ることが増える可能性も。

修繕積立金は次の大規模修繕工事が現実味を帯びてから引き上げに転じることが多いです。

そのため、工事が終了して修繕積立金の引き上げが生じる前に売却するのがポイントと言えるでしょう。

専門家に相談しながら決定することが大切

分譲マンション(区分マンション)を購入した人または相続で取得した人の中には、転勤や家族構成の変化による買い換え、将来的に居住しないなどの理由で売却を検討している人もいると思います。

分譲マンションでは定期的におこなわれる大規模修繕工事が売却結果に影響する可能性があるため、工事前・工事後のどちらに売却すべきかをよく考えることが大切です。

独断で決めると誤った選択をするリスクが高まるため、不動産売買の専門家である不動産会社に事前に相談することをおすすめします。

また、不動産売却=不動産会社に仲介を依頼して販売活動(売却活動)に取りかかると考えている人も多いかもしれませんが、不動産買取も選択肢に含めると、より好条件での売却が期待できます。

例えば、「ソクガイ.jp」は買取価格が市場相場(相場価格)よりも低くなりがちな不動産買取において、相場に近い買取価格を実現している不動産コンサルティング会社です。

所有するマンションが大規模修繕工事を控えていて売却の適正なタイミングがいつなのか悩んでいる人は、一度問い合わせてみてはいかがでしょうか?

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